暮らしの楽しみ~おうち茶道と伝統工芸品のすすめ~

2021.7.24

FEATURE
暮らしの楽しみ~おうち茶道と伝統工芸品のすすめ~

ペットボトルが普及して、日本茶や緑茶を自宅で淹れて楽しむ習慣が減ってきました。ペットボトルのお茶の味が向上しているためもありますが、日本の茶の文化は茶道の抹茶に始まり、煎茶、番茶などとても豊かです。中でも、敷居が高いイメージのあるのが抹茶ですが、もともとは禅宗のお坊さんが薬として中国から持ち帰りました。眠気を覚ますカフェインとリラックス効果のあるテアニンとの両方の作用によって、緩やかに効いてくれるパワーフードで、ビタミンやカテキンの作用で風邪予防にも効果があります。

もっと、気軽にご自宅で抹茶を楽しみませんか。

おうち茶道スターターセット

茶道教室をしていると、たびたび質問を受けるのが「おうちでお茶を点ててみたいのですが、初心者用の道具を教えてください。」というご相談です。

おうち茶道をどのように始めたらよいのかについて、読みやすい形でご紹介しているのが著書『おうち茶道のすすめ』です。この本を参考にしていただくと、ご自身のお好みで道具をカスタマイズして、気軽にご自宅のリビングやキッチン、オフィスで抹茶を楽しんでいただけます。→『おうち茶道のすすめ』水上麻由子著

「いますぐ手軽に始めたい。」そんな方におすすめなのが、スターターキットです。ここには、お稽古用の茶碗と茶筅、茶杓、抹茶がセットになっています。→おうちで抹茶 スターターセット

その他にも、抹茶と茶筅のセット、茶杓や茶ふるいは別売りで購入もできますので、ご要望に合わせてご注文ください。

①抹茶はダマになりやすいので、茶こしや茶ふるい(別売り)を使って抹茶をこす。

②茶碗に茶筅を入れてお湯を注ぎ、茶碗と茶筅を温める。

③茶碗を清潔な布巾でふき取る。

④茶杓で山盛り2杯の抹茶を入れる。

⑤60cc程度のお湯を注いで、茶筅で泡立てるようにかき混ぜる。

⑥抹茶の完成

*お湯は、一度沸騰させたものを保温ポットなどに移した80~90度程度のものがよいです。

抹茶の選び方

抹茶のメーカーにはいろいろあります。各流派の家元御好のお茶を扱っている会社であれば、本格的に抹茶を扱っている老舗として信頼できます。

ここでは、私が長く愛飲している山政小山園さんの抹茶をいくつかご紹介したいと思います。

前章でご紹介したスターターセットに入っている抹茶は「小倉山」というお茶です。比較的安価で使いやすい抹茶です。

もう少し美味しい抹茶を望まれるのであれば、「式部の昔」がおすすめです。初心者の抹茶体験は「苦い」という印象を持つ方が多いのですが、うま味と甘味のある美味しい銘柄を最初から楽しんでいると、抹茶は「甘くて美味しい」と感じられると思います。

私がお稽古で使っているのが、「天王山」です。一般には濃茶用と言われる抹茶で、コーヒーでいうエスプレッソのような濃い抹茶にしても、甘味を味わえるような味の抹茶になっています。濃茶用と言われていますが、私の教室では(私の先生も)、薄茶にも濃茶にも、この抹茶を使っています。抹茶が美味しいと、当然一緒にいただくお菓子もより美味しく感じられて、お稽古の時間が至福の時となるからです。

私は、抹茶初体験や初心者の方にこそ、上等な美味しいお茶をお出しするようにしています。私がお勧めする上等で美味しいお茶が、「天王山」です。

皆さんの中でも、抹茶初心者であれば、ぜひ「天王山」からスタートしていただきたいと思います。スターターキットをご購入される方で、抹茶を「天王山」にグレードアップしたい方は、「天王山にグレードアップ」という商品を併せてご注文ください。

山政小山園の抹茶について

◆添加物不使用・・・発色着色剤などの添加物を一切使用していません。自然の香味そのままのお茶づくりを行っています。

◆品質低下について・・・抹茶は粒子が細かいために、変質変色が早く、高温・高湿・日光・移り香に弱い商品です。開封前は冷蔵庫での保存をお勧めします。

◆賞味期限・・・未開封の状態で冷蔵庫または冷暗所にて保存した場合、賞味期限は約8カ月です。ご家庭用であれば、大きいパッケージではなく30g缶をご注文いただいて、使い終わったら新いものを開封されるようお勧めします。

◆開封後の取り扱い・・・臭いや結露による品質低下を防ぐため、開封後は冷蔵庫などに保管せず、常温で密閉容器にいれて保管し、なるべく早くお召し上がりください。

◆抹茶のダマ・・・細かく挽きあげた抹茶は静電気を帯びやすく、特に空気の乾く冬季は小さなダマができやすくなります。抹茶ふるいをご使用ください。

個性的な茶碗や漆プレート

おうち茶道のための抹茶茶碗やスプーン、お菓子のための漆器、さらには、日々の暮らしに、少しだけ上質な楽しみを感じたいという方のために、私の愛用する作家さんの作品や漆器をご紹介しています。

→伊賀焼(谷本洋)

→普段使いしやすい漆器(FEELJ style)

 

私は、実は料理が得意でも好きでもありません。だからこそ、身体によいものが、簡単に美味しく食べられることを最優先にしています。季節の食材を、短時間でシンプルに調理したものの美味しさに目覚めると、何事も手を加えすぎないことがどれだけ大事なことかと気づきます。
旬の野菜や果物をカットして盛り付けるだけで、カラフルで新鮮で様々な触感が楽しめます。自然塩やオリーブオイル、レモン果汁、味噌などを添えて、自然の恵みそのものがご馳走です。和にも洋にも、抹茶のお菓子にもお酒のお伴にも、活躍の場は広がります。食事に意識を向けて五感で味わうことで、普段の暮らしを楽しくします。

自然の食材が映えるのが、古代から愛用されてきた漆のプレート。
錫(すず)の粉と炭の粉を用いて生まれる金属的な風合いですが、漆器なので持ち上げるととても軽い。和紙に墨汁を垂らしたように、ひとつひとつ異なる表情がまた魅力です。

傷もつきにくく、トレーの上に陶磁器やガラスの器を重ねても安心。食器洗い機や電子レンジは使えませんが、柔らかいスポンジで中性洗剤で洗うだけでお手入れは簡単です。

さらに冷たい抹茶や抹茶カクテルを楽しみたい方はこちら

スタイリッシュに、お酒や発砲水と合わせたり、アイスクリームや料理などにも広く抹茶を楽しみたい方にはこちらがお勧めです。

アメリカで先行販売された抹茶マシン『空禅抹茶

マイナビインタビューでご紹介しています

茶道界ではまだ普及していない無農薬のお茶です。抹茶は茶葉をそのまま飲みますので、栄養も豊かに摂取できる分、より安全で安心であってほしいと常日頃思っています。

このマシンは専用の碾茶を使って抹茶を作ります。専用の無農薬の碾茶(挽く前のお茶)を抹茶マシン『空禅抹茶』のミルの中に入れると、セラミックの臼で挽きたての抹茶がパラパラと落ちてきて、水と撹拌されていきます。

焼酎とに茶
スパークリング抹茶
冷抹茶
アイスクリームにかけてアフォガード風

などなど、楽しみは広がります。

世界で大人気、日本人ももっと愛すべきMatcha

抹茶が心と身体によいスーパーフードでしかも美味しい!ということで、海外では抹茶味のお菓子や抹茶ドリンクなどが大人気です。

一方、日本では、茶道のイメージが強いためか、日常的に抹茶を自宅で楽しむまでにハードルが高いようです。私としては茶道ももっと気軽に体験して欲しい文化ですが、茶道を始める前に、おうち抹茶、おうち茶道をもっと気軽に、もっと日常的にスタートしてみて欲しいと願っています。

ご相談やご質問などありましたら、こちらへ